[:ja]何かというと「エロい」ってコトバを耳にするだけど、 「エロい」って、つまり「エロエティック」ってコトだよね。
そもそも「エロティック」って何だろう?
エロティックの語源であるエロスは、ギリシャ神話の中の翼を持ったイケメンの神「エロース」に由来する。
いつも手には弓と矢を持っていて、彼の金の矢で射られると、その時目の前にいる者に見境いなく恋焦がれ、鉛の矢で射られると、逆に恋を忌み嫌うようになるという。
どうやら彼はこの矢で神々を狙い撃ちしては遊んでいたらしい。
このストーリーは中世になると、神々と人間が恋に落ちたり、嫉妬したり、横恋慕したりと、すっかり愛憎の物語に発展し、お陰で「エロース」は、すっかり愛憎や性愛の象徴となっていった。
日本の神話では、神々がコトに及んで産み落としたのが日本の国土だし、アメノウズメの命(みこと)は、セミヌードでめちゃめちゃエロティックな踊りで天照大神(あまてらすおおみかみ)の興味をそそったし…。
もともと神々も人間もエロティックなコトが大好きな存在なのだ。
さらに、日本人の性愛に対する奔放さは、江戸時代の浮世絵を見ればよくわかる。
庶民が楽しそうにセックスに励む姿が実に明るく、いくぶんコミカルに、ポジティブに描かれている。
だから、「エロス」は生命の営みそのものだし、生きてゆくことはそれだけで充分にエロティックなことだ。
AVの映像のような、あからさまで、テーマパークみたいなものだけが、エロスだと思ったら、大間違いで、世の中には、もっと繊細でもっと上等なエロスがたくさんある。
例えば、うっそうと生い茂る森の中で出会う、青くみずみずしい苔や、朝もやの中にしっぽりと濡れてたたずむ樹木だって充分にエロティックだ。
何故なら、その奥に生命の息づかいを感じるから…
私の生業である下着の世界は、言うまでもなく、「エロス」の宝庫だ。
ぴったぴたに仕立てられた足袋の上からのぞく、白い足首。
シルクの生地を通して感じられるかすかな乳首の気配や、ぴったりと張り付く腰まわりから、ゆるやかに落ちて揺れるスリップの裾。
手の込んだレースの合間から、透けて見える肌の美しさは何度見ても息を呑んでしまう。
そして極めつけは、ガーターベルトで吊られたストッキングの美しさだろう。
私がこの世界に入ったのも、16の歳に生まれて初めて履いたストッキングの感覚に、魅せられたからだ。
ただでさえ、脚はエロティックな器官なのに、パンストとは次元の違う、伸びないナイロン糸で編まれたストッキングの、拘束感に近いフィット感は、何者にも代えがたい、極上で、究極のエロスを感じさせてくれる。
だから、ガーターベルトで履くストッキングこそが、「自分は女である」ということを、
身体にも心にも同時に納得させることの出来る、唯一の道具だと私は思う。
しかも、自分の脚が実に美しく情緒のある「理想的な脚」に変わってしまうという、嬉しいオマケが付いてくるのだから、女に生まれたなら、ぜひ一度は試して頂きたい。
この辺りの話は、『すべてはガーターベルトから始まった』(KKベストセラーズ刊)に事細かに書いてあるので参考にしていただきたい。
他人と同じである必要はない。
あなたにとってのエロスな感覚はあなた唯一のもの。
そして、その感覚はあなた自身があなたに贈る、「エール」のようなものだ。
だから、どんどんエロい人になって貰いたい。
自分の感覚に磨きをかけて、エロティックなモノやコトをシッカリ感じ、その感覚を自分に戻して、また磨きをかける。
この繰り返しが、「エロくていい女」や「エロくていい男」を創るのだと思う。
参考
「エロース」
(2015年11月12日 (木) 03:26 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』。
「天照大神」
(2016年7月30日 (土) 00:17 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』。
株式会社 リュー・ドゥ・リュー
代表 龍 多美子
龍 多美子プロフィール
1957年東京生まれ 青山学院女子短期大学卒。
高校時代から下着の魅力に惹かれ、18歳でランジェリーショップでアルバイトを始める。
82年に独立し、代官山にリュー・ドゥ・リューを開業。
的確なサイズ判断とカウンセリングで、オープン以来のべ7万人以上の女性たちの身体と意識の変革 に寄り添い続け、その愛に満ちたフィッティン グで全国にファンを持つ。 吉祥寺本店の他に全国11都市で定期的な販売会を開催中。
著書
「すべてはガーターベルトから始まった」KKベストセラーズ刊 他
写真提供:リュードリュー
リュードリュー
http://www.ruederyu.com[:]